お大師さまについて・弘法大師空海の足跡を辿る7(2008秋-No.36)
- 2008年8月15日(金)
- カテゴリー|はすの会 会報
同行二人、お大師さまと歩む清らかな人生
お大師さまについて
弘法大師空海の足跡を辿る(7)
中国福州長渓県の赤岸鎮(せきがんちん)に船は漂流して辿り着きました。時に延暦23年(804)8月10日、最澄の乗った第2船も明州寧波府に辿り着きました。ひろさちや氏の著書「空海入門」によりますと
8月の8日頃から船上で人々が騒ぎ始めた。海の色を見て陸に近づいたことがわかり、海鳥が飛んできたかも知れないと。「助かった」人々は喜んだ。
決死の覚悟で船に乗り込んだ人ばかりですから、福州に着いた時、その場所は不明でしたがその後の苦労も知らず全員が喝采したのではないかと著書に書かれています。
空海・渡唐の跡
(西暦804~806年、延暦23~大同元)
海賊扱いされる遣唐使一行
喜ぶのが早かった最初の試練は赤岸鎮が当時僻地であり、福州であることは手まね、筆談で判りましたが、陸に上げてもらえないのは、海賊か密輸業者に間違えられたからです。その窮地を救ったのは私学留学生の「空海」の語学力と文章力と言われてます。
赤岸鎮は現在の(福建省霞浦県赤岸村)です。
現在その時の記録が空海の「性霊集」=しょうりょうしゅうに残ってます。しかも海岸の砂の上に美文をすらすらと書き、当時の中国の人を驚かせました。
赤岸鎮の役入を感服させた空海の漢詩、梵語(古代インドの文語であるサンスクリットのこと)にいたるまで、の文章力、語学力をどこで勉強したか、謎とされています。
司馬遼太郎氏の「空海の風景」では、遣唐使の一行は罪入のような扱いを受け、船から引きずり下ろされ、手荷物を持つことも許されず、河畔の砂の上に全員立たされたと記述してますが、当然遣唐使一行の責任者葛野麿呂は国使の船であることを当地の役人に説明します。
しかし、それを証明するものを持ち合わせていませんでしたので、ますます役人は一行を怪しみます。
その時にまだ空海は120人の中の一人でしかなかったのですが、葛野麿呂は空海が中国の言語に長けていることを聞いていたので、困った大使は空海に非常事態であり、嘆願文を書いてくれと頼み込みます。
空海は留学生として乗船を許されていましたのですが期待されなかった空海の通訳の力量と、さらに文章を見た役人たちの態度が一変します。
やがて赤岸鎮での空海の能力の高さが口伝えで地域に広がり、ついには当地の役入が長安の都に連絡をとり、遣唐使一行は入京が許されます。
一行が困っている時になぜ空海は積極的に助けようとしなかったのか、この時の空海について、いろいろな説がありますが、遣唐使の長である藤原葛野麿呂=ふじわらのかどのまろとの人間関係が悪く、空海は好かれていなかったという説がひろさちや氏の意見です。
その後空海の入京を拒んだ行動を葛野麿呂がとりますが、空海は福州の役人に自分から頼み込み、延暦23年(804)長安に入ります。
(続く)
75歳以上の方は毎月年金から平均10,000円徴収されます!
後期高齢者医療制度のことご存じですか?
この制度は平成20年4月からスタートしてます。この制度の名称を「長寿医療制度」に変更する方針が示されましたが、制度の本質・内容になんらの変更もないことや、現在の利用状況から、引き続いて「後期高齢者医療制度」を使用いたしました。
この制度は75才以上の高齢者を「後期高齢者」と呼び、一定の対象者として独立させて、新しい保険システムのもとに組み入れるものです。
(ちなみに65歳~75歳未満の高齢者は「前期高齢者に分類されています)
さて、この制度はほんとうのところお年寄りの暮らしがどのように変わるのでしょう
まず、現行制度との大きな違いは家族に扶養されている人を含めてすべての後期高齢者が保険料の負担を求められて大多数の人が「年金天引き」で保険料を月15,000円以上徴収されるのです。
保険料の額は都道府県ごとに決まる予定ですが、全国平均で72,000円 (月6,000円)になると政府は試算しています。多くの高齢者は毎月なんと介護保険料を含めますと10,000円天引き(年金から)されるのです。
そして従来75歳以上の高齢者は障害者、被爆者などと同じく、「保険料を滞納しても保険証をとりあげてはならない」とされてきましたが、今回の制度では「滞納者は保険証を取り上げられ、短期保険証、資格証明証を発行されることになりました」。
さらに、保険料は二年ごとに改定され、高齢者の数が増えるのに応じて自動的に保険料が引き上げられる仕組みもつくられています。
その他、病院・診療所に支払われる診療報酬、医療の値段も一般の人と別建てにして、格差をつけようとしてます。これが導入されますと、後期高齢者に手厚い医療をする病院・診療所ほど経営は悪化するようになり、高齢者は「粗悪医療や、病院追い出し」を迫られることになります。
「後期高齢者医療制度」は75歳以上の高齢者を他の医療保険から切り離し、「保険料の値上げ」、「医療内容の劣悪化」のおそれがありますから、私たちも政治を注意深く視ていくことが必要です。
あるテレビ番組で問題になりました事
日本という国をもう一度足下から見直さなければいけないのではないでしょうか?
「目本という国は77歳で喜寿、88歳で米寿、そして90歳で卒寿とみんなで喜ぷ社会でした。ところが今度の制度は高齢者が肩身の狭くなるような制度だ」という一幕がありましたが、75歳以上の人は国保や健保から追い出し、別枠の制度に囲い込むものだという意見が目立ちました。
確かに75歳以上の人は治療に時間がかかり、合併症の方、認知症の方が多いという現実の問題があることは否定できません。
しかし、私たちのお年寄りは戦後なにもない敗戦国を今日の日本に築き、その基礎をつくられた方々です。その方々を粗末にするこのような解決方法しかほんとうにないのでしょうか。
税金の使われ方はほんとうにおかしいと思っています。例えば、たまに郊外に子供にさそわれてドライブに行きます。対向車のない高速道路がいたる所に建設されています。それでもまだ高速道路を造らなければならないのでしょうか。毎日の新聞を読んでうんざりしている方も多いと思います。政治を足下から変えることの必要性を痛感しています。「篤姫」の大河ドラマではありませんが、多くの傑出し英雄を輩出したあの時代に精神的にも戻れないものでしょうか。
仏教の名言を知りましょう
お釈迦様をはじめ、偉大な仏教の師が残してくれた永遠の言葉にはすばらしい光が今も輝いています。皆様とご一緒に勉強してみましょう。
生れ生れ生れ生れて生の始めに暗く、死に死に死に死んで死の終り冥し。
弘法大師空海[秘蔵宝鏑]ひぞうほうやく=からの言葉です。わたしたちの生命はなにかモトがあってそこから生じてきたものでないのだから、自分はどこから生まれてきたのかを問い、自分が死んだらどうなるかを求めても答はでません。
それを「暗く」と言い、「冥し=くらし」と言ったのです。
わたくしたちが生きるのはいまこの一瞬であって生命のすべてはそこに存在するのです。無駄な迷いにとらわれず「今」を全力で生き抜くこと以外には我々にはやるべきことはない。(宝生陰住職)
学問と言うとも、生死を離るばかりの学問は得(え)すまじ
浄土宗を継いだ聖光は比叡山で天台宗の奥義を窮めましたが、その後弟・弟子三明房が他界しました
たが、自分で収めた学問ではなにもできず、そのことを思い知らされました。
師法然の庵を訪れた聖光に「学問を修めることは大切だが、生き死にの迷いの世界から離れられるような学問など修められはしない」と学問の限界を、師法然が諭しました。(大正大学教授)
死をひしひしと水のうまさかな
種田山頭火の仏教の教えの原点になった句で厳しい放浪の旅を続ける種田山頭火はいつ死ぬか判らぬ限界状態にありながら、水のうまさの中に自分一人の生命が永遠に父や母、そして子孫につらなることを悟り、法悦の境にあった時に詠んだ旬です。
(駒沢大学名誉教授)
鬚長く腰まぐるまで活きたくば、食をひかえて独り寝せよ
長生きしたいと願うなら、小食にして性欲を控えなさい、つまり女性と床を共にするなという白隠禅師の教えです。
男性に対する戒めのようですが、女性にも通じることです。私欲のままに暴飲暴食し、荒淫に耽っていれば、ある日身を滅ぼすことにもなりかねなません。昔から腹八分に医者いらずと言われてきましたが、健康のまま老いてゆきたいなら、まずこの二つを守らねばなりません。 (菩提禅堂堂主)
やがて死すべきものの、いま命あるはありがたし
人の生をうくるはかたく、やがて死すべきもののいま命あるのはありがたし。という言葉がダンマパダ(法句経)に書かれています。
私たちが人間として生れたことが至難のこととされています。(無量億劫=むりょうおくこう)天文学的な期間に一度しか花を咲かせないウドンゲに例えられています。有り難い機会に恵まれたのですから、今の生を精いっぱいよりよく生きたいものです。(東洋大学教授)
ほろほろと泣く山鳥の声聞けば、父かとそ思ふ母かとぞ思う
有名な行基の詩です。土木技術で名を知られた師は行く先々で仏法を説き、独り行く山岳地では時に亡くなった父と母を思った。特にほろほろと鳴く山鳥の声を耳にすると、両親の孤高さを思い、慕う気持ちを胸に騒がせた。(作家)
最近「水」は大ブーム、ところがむやみに飲めばよいというわけではありません
飲み方次第では生命の危険も!新しい飲み方を知りましょうのどが渇いた時だけでは不十分?
「のどが渇いた時だけ」水を飲むのは体内の水分が不足してしまうことがあるそうです。
そのために次のことを心掛けましょう
★一日1.5リットルを小分けして飲むことが理想的です。
一日に失われる水分量は
尿(1400ml)、
皮膚からの蒸発(900ml)
便(200ml)などの合計で2500ml。
★水分の補給は食事中に約1,000ml、残り1,500mlを水分として補給するのが理想的、のどが渇く前に失いがちな水分を小分けしながら飲むのが大切です。
水分不足でも何ごともなく生活できるのは(アクワポリン)のお陰です。
(アクワポリン)とは肌に水分を補給したり、唾液を分泌したり、体内で水分が必要な時に伝達する欠かせない存在です。
水分不足を脳が感じとりますと脳からの指令で腎臓の細胞内にある(アクワポリン)尿からきれいな水だけを引き上げ、血液中に取り戻し、脱水の危機から体を守ってくれるのです。
原稿出所(NHK5月9日放送)
秋季合同法要のご案内
夏の暑さにも負けず、と宮沢賢治は詩に書き留めましたが、やはり昔も今も夏は暑いのです。高野山がもっとも気持ちのよいさ爽やかな季節にご先祖様とのご対面、もうオリンピックも終わってますし、しばらくは静かな、静かな里の秋をお過こしください。
日時9月21日(日)12時30分より
晴雨に関係なくご法要させて戴きます。
場所:持明院本堂内
持明院玄関にて受付け、ご記帳をお願いいたします。
仏舎利宝塔のご参拝:
10時~11時30分
13時30分~15時
係員が上記時間にお待ちしております。
お願い事項
- ご昼食ご希望の方は(はすの会)にお早めにご予約をお申し込みください。
ご昼食代お一人様2,100円(お飲みものもご一緒にお申し付けください)
電話(06)6348-0338 ファックス (06)6348-0170 - 南海電車の特急券は1ヶ月前から最寄りの大手旅行代理店でご購入できます。
- 自家用車でお越しの方は持明院駐車場に奥の方より順序よく駐車してください。