高野山 欧州から「巡礼」(読売新聞)
- 2010年6月26日(土)
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2010年6月26日(土)読売新聞より
高野山 欧州から「巡礼」
空海が開いた真言密教の聖地・高野山(和歌山県高野町)に、欧州からの観光客が急増している。県によると、年間4000~5000人だったのが、2004年の世界遺産登録後に欧州メディアで紹介されてから増加。さらに仏ミシュラン社のフランス語版旅行ガイドで最高の「三つ星」と評価された昨年は、約2万5000人に達した。山中に広がる宗教都市の神秘が、京都や奈良とは異なる魅力となっているようだ。
外国人観光客でにぎわう高野山(和歌山県高野町で)
神秘求め昨年2.5万人
標高約900メートルにある金剛峯寺の壇上伽藍(がらん)。フランスから訪れたプミール・オーレリアさん(31)は、ミシュランで高野山を知ったといい、 「人と空気、宗教が調和しているところが素晴らしい」と話す。
境内はひんやりした空気が漂い、開創当時をほうふつとさせる堂や塔が出迎える。山内には117の寺院が並び、約半数が宿坊を持つ。その一つ、無量光院で1997年から修行を続けるスイス人僧侶クルト・厳蔵(げんそう)さん(59)は、欧州人が好む背景として、カトリック系の総本山があるイタリアの山岳都市、アッシジ市などとの共通点を挙げる。
欧州では、聖地を巡る「スピリチュアルツアー」が人気で、クルトさんは「高野山を訪れるのも観光というより、巡礼の気持ちなのではないでしょうか」と指摘。日本の文化財や景勝地などを紹介するミシュランでも、高野山を「日常と隔絶された神秘的な日本に入り込める」と評している。
県の統計では、昨年、高野山を訪れた外国人観光客は約3万8000人で、うち3分の2が欧州。フランスからは08年に9980人だったのが、ミシュランが出版された昨年は約1万3000人に伸びた。
町はフランス語のパンフレットを制作、飲食店も英語のメニューを置くなどの歓迎ぶり。欧州の客の多くは宿坊などに泊まって夜は精進料理を味わい、朝の勤行にも参加するという。
高野山観光協会の植木教記さん(36)は「以前は奈良や京都から巡ってくる人が多かったが、最近は高野山を目的に来日する人が増えた。宿坊で読書をして過ごすなど、ゆっくり楽しんでいますね」と話している。
旅行「ミシュラン」三つ星追い風
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私見:
「外人」というと広い意味では中国や韓国のアジア人も含みますが、数年前から狭い意味での「外人」(いわゆる欧米人)をよく高野山では見かけるようになりました。
持明院に宿泊されるお客様でも、ほぼ毎日1組以上の外人客が泊まられます。
作務衣(さむえ)を着て佛舎利宝塔の前で草むしりなどをしていると、ときどき外人さんが英語で「あなたは僧侶か?(Are you a monk?)」と聞かれたりしますが、自分の英語力のなさを痛感しつつも、宗教のことを英語で話すのはとても難しいと感じています。