持明院「はすの会」高野山の納骨と永代供養墓

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『今日の芸術』(岡本太郎・著)を読んで、、、

宗教や高野山とは直接は関係ないのですが、持明院つながりのネタということで、、、。

先日私は、東京国立博物館の『ブッダ展』を見てきたのですが、会場である「東京国立博物館」では、普段から日本の美術品を展示しています。

『ブッダ展』は特別企画なので期間限定ですが、通常の展示室は日本の美術の歴史がわかるように、古くは縄文時代の土器から、各時代の要となる絵画や漆器、武具などが展示されています。

ただ私は、正直“芸術の素晴らしさ”というものが昔からよくわからなくて、ピカソの絵なども「いったいどこがいいのだろう?」と常々思っておりました。

先日そんな話を、持明院で働いている人たちと昼食時に軽く雑談していたところ、スタッフの一人であるオカベさんから「だったらこんな本がありますよ」と貸していただきました。


今日の芸術―時代を創造するものは誰か(岡本太郎・著)

正直私は、「岡本太郎」と言っても、

  • 今年生誕100年(娘がそれでレポートを書かされていたのを見た)
  • 大阪万博の「太陽の塔」の作者
  • 『芸術は爆発だ』
  • 『グラスの底に顔があってもいいじゃないか』

というくらいしか知らず、むしろ氏の言動を見る限り、どちらかと言えば「奇人・変人」の類で、芸術家特有の「ネジが一本切れた人」ではないか、とずっと思っておりました。

ですが、この本を読んで、私は目からウロコが落ちる思いをしました。

まず、ものすごく読みやすいです。非常に簡単でわかりやすい文章で書かれています。おそらく中学生くらいでも十分理解できると思います。

そして何より、内容が理路整然としており、“なぜなのか”ということが簡単明瞭に書かれております。並のビジネス書よりよほどしっかりしています。

しかも、私は芸術家と言えば、「感性だけが大事で理論や理屈は必要ない」と主張する人ばかりかと思っておりました。

ですが、とんでもない。

この本を読んでわかったことは、氏は基本となる理論や歴史、技法をすべてマスターし、さらに若い頃フランスで感性を磨き、有名な芸術家とも議論を交わした上で、ご自分で考え抜いて行き着いた結論として氏の言動がある、ということがはっきりしました。

そしてこの本でもっともよかったことは、私のかねてからの疑問であった「ピカソの絵がなぜ評価されるのか?」ということの答が載っておりました。

この答は、「岡本太郎がこう言ってた」と答えられるような性質のものではなく、そう言ってしまった時点で、「権威ある人がこう言っていたから」と思考停止になること自体が問題だ、と氏は強く主張されています。

私もうまくは伝えられませんが、とにかくこのような本が今から60年前に書かれていて、今読んでも十分現代に通じる内容で、熱い心を誰にでもわかりやすく伝えている、、、。こんな本があったとは、私は今までの人生をもったいなく感じさせられました。

“人生を清らかに生きるための教科書の一冊”と言い切ってもよいと思いますので、ぜひ皆様にもお勧めしたいと思い、記載させていただきました。



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