中国の巨大なお線香
- 2011年8月4日(木)
- カテゴリー|徒然コラム
スタッフの浜田です。
私の嫁は中国の北京出身で、昨年義父が亡くなったことから今年は一周忌ということで、中国に家族で帰りました。
せっかく帰ったのですから、少し観光をするため『泰山(たいざん)』に行って参りました。
(山頂の寺院)
私も名前は何となく聞いたことがありましたが、これを機にいろいろ調べてみると、
- 北京から約600Km(車で6時間ほど)
- 世界遺産に登録されている
- 高さは1,545mで、歩いても登れるしロープウェイもある
- 信仰の対象として宗教的シンボルになっている
というところでした。
嫁は、日本を出発する前から歩いて登る気まんまんで、結局、嫁と長女(中二)と長男(中一)が歩いて登り、私と末娘(小三)はロープウェイを選びました。長男は登る前からブツブツ言っておりましたが、登り着いてからはさらにブツブツ言うようになりました。(笑)
(気合の入っていた嫁)
山頂のお寺ではお参りできるのですが、日本でするお参りは、手を合わせておじぎすることが多いのですが、中国では土下座までします。
(土下座専用のクッションに頭をつける)
そして、供える線香がデカイ!
等身大の線香というのは、日本でもなかなかないのではないでしょうか!
翌日は、「孔子博物館」とも言うべき「三孔(さんこう)」へ行きました。泰山から車で1時間ほどのところです。
「孔子」についても、名前と「儒教を始めた人」くらいしか知りませんでしたが、今回ここに行くことで、初めて中国における孔子の位置づけがわかりました。
高野山は、ある意味「町そのものが弘法大師博物館」とも言えるのでしょうが、そういう意味でここは高野山と似ていると言えそうです。
この「三孔」とは、
- 孔廟(孔子を祭る霊所)
- 孔府(孔子の子孫が住んだ町)
- 孔林(孔子と子孫の墓)
のことをまとめて呼びます。
ですからここも、高野山以上に広い町一体をさします。
この「三孔」を高野山で例えてみると、
- お寺はすべて弘法大師を奉り(これは高野山でもそうです)
- お寺に住む住職はすべて弘法大師の子孫で(高野山はそのようなことはありません)
- 奥の院はその子孫達だけの墓地(奥の院にはいろいろな方のお墓があることはご存知の通り)
というような、まさに「孔子のためだけの町」です。
そして私が今回驚いたのは、孔子が立派なのはわかるし、その初代の子供や孫が優遇された、というのはわからないでもありませんが、末代の子孫、およそ二千年以上にわたって時の皇帝がその子孫に町一つ分程もある住居をあたえて優遇し続けてきた、というのは、世界でも例はないと思います。
我が国でも天皇家には歴史はありますが、それは天皇家の歴史であって、天皇が教えを請うた人の子孫を何百年も囲い続けてきた、というのと同じような感じです。
中国はそれくらい儒教が染みついているのかもしれません。また、だから中国人はとかく家族を大事にする民族なのかもしれません。
(孔子のお墓の前でパチリ)
さらに翌日は義父のお墓参りにも行ってきました。
北京でも墓不足となりつつあり、お墓は車で1時間ほど走った先の郊外にしかありません。
うちも霊園の一つに入っていますが、基本的に夫婦で一つの墓に入る、とのこと。
価格も日本円で100万円くらいするそうです。(あちらの物価から考えれば結構いい値段)
私は日式で手を合わせましたが、ここでは頭を何度も大きく下げるのが習わしのようです
最後は花を細かく砕いて墓石に撒きます。義母が亡くなれば左に名前が書かれます。
死者を送るときに燃やすお金。200億元だから日本円換算で2400億円!(笑)