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第87回高野山夏季大学(8/5~7)

毎日新聞(2011年6月18日)より


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第87回高野山夏季大学(毎日新聞社・総本山金剛峯寺主催、高野山大学後援)を8月5~7日、和歌山県高野町で開講します。主会場は高野山大学松下講堂黎明館。大師教会大講堂でも一部、講演を行います。今回のテーマは「日本に生きる」です。東日本大震災が起きた中での夏季大学は、人生観や価値観を見つめ直す機会になるかもしれません。8人の講師のプロフィルと講演の概要を紹介します。(昨年度の内容はこちら)

第1日

ヴィカース・スワループさん
在大阪・神戸インド総領事

近年、インドが劇的に存在感を増してきているのはなぜか。エンパワーメント▽教育▽起業家精神▽英語─の四つの“E”が指摘されています。驚くべき多様性や、成長著しい経済、国際的な関心が高まる“ポリウッド映画”、音楽、舞踊、文学、料理など、いかにアイデンティティー(独自性、同一性)を維持しつつ近代化を遂げているかについてお話しします。

6世紀の仏教伝来に始まり、さらに近年、戦略的グローバルパートナーシップへと発展し、一層深まる日印関係にもふれます。また、東日本大震災に際して、インドが見せた日本に対する連帯感は、世界の平和と繁栄に貢献する両国のつながりを一段と強固なものにしました。

略歴:1986年にインド外務省に入省、2009年から現職。作家でもあり、著書「ぼくと1ルピーの神様」は、「スラムドッグ・ミリオネア」として映画化され、アカデミー賞の作品賞を獲得した。

内田 樹さん
神戸女学院名誉教授

日本はいま長期にわたる政治経済の停滞期に向かっている。「ふたたび右肩上がり」に持ち込めるような要因は見当たらない。となれば、私たちは「負け戦」の戦い方を習熟してゆくほかない。

ほとんどの人はそう言うと激怒する。「勝ち」に行かなくては、人間は何もできないのだと息巻く。しかし、老人には老人なりの生き方があるように、凋落(ちょうらく)してゆく国には凋落してゆく国にしか果たせない役割がある。

自己利益の追求が社会を活気づける時代はもうだいぶ前に終わった。私たちが今いる場で、地域共同体で、自治体で、国家で、東アジアで、さらには人類の世界で、どのようにふるまうことがもっとも多くの「よいこと」を集団にもたらすのか。「公共性とは何か」について考えたい。

略歴:専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論。第6回小林秀雄賞の「私家版・ユダヤ文化論」、第3回新書大賞の「目本辺境論」など著書多数。

第2日

村上 保壽さん
高野山真言宗教学部長

弘法大師空海の「性霊集」の中に、はじめて高野の地に足を踏み入れた様子が「吉野から南に行くこと一日、更に西へ向かって去ること両日程にして、平原の幽地あり、名づけて高野という」とある。時期は、大学入学(18歳)後の冬か翌年の春先のころではなかったかと思われる。

どのような道をたどって吉野から高野へ入ったのか。さまざまな推論が可能であろうが、この体験は、大学を中退し、僧となって各地を遊行(ゆぎょう)したり、山岳・山林で行道や瞑想(めいそう)行を行ったり、奈良の寺院で経論を学習するなどの行動を方向づけたのではないかと思われる。そして、その先に中国への留学が見えてくるのである。その意味で、吉野から高野への道は、少年空海の眼(め)を山林修行と仏教の「道」へと向けさせることになった道であったのである。

略歴:高野山大学名誉教授。著書に「日本人のこころの言葉空海」「現代社会を弘法大師の思想で読み解く」ほか。

岡田 茉莉子さん
女優

私は、私の知らない運命に誘われるようにして、女優になった。伏せられてきた父、サイレント映画のスターであった岡田時彦。それに苛酷な戦中、戦後をひとりの女、そして女優として生きてきた私に、「自伝を書くことは、あなたの宿命」といってくれた夫、吉田喜重。

私のすべてを、自伝に書きしるした。これから新たに起こる、そうした未知の時間をのぞけば、私はなにも思いのこすことなく、すべてを語ったつもりだ。それでもなお、語りたいことがあるとすれば、私は女優、いまも生きつつある女優であることのしるしなのだろう。それは私自身がそうでありながら、女優とは、永遠に解くことのできない謎だからである。

略歴:1951年、映国「舞姫」でデビュー。62年「秋津温泉」を自ら企回し、演出を吉田喜重監腎に依頼、数多くの女優賞を受賞。64年吉田監腎と結婚、2人で独立プロ「現代映画社」を設立。著書に「女優岡田茉
莉子」(文芸春秋)。

川口 淳一郎さん
JAXA教授

「はやぶさ」が実証した、地球引力圏外の天体へ着陸し、そして帰還する、往復の宇宙飛行は、人類未到の挑戦でした。「はやぶさ」は昨年6月、オーストラリアの砂漢地帯に帰還し、試料回収カプセルの無事降下・回収に成功しました。「はやぶさ」は、その飛行中、数々の故障や困難に直面しましたが、プロジェ
クトのメンバー全員がよくそのミッション目的を共有し、高いモチベーションをもって率先して取り組み、このことが地球帰還の成功へとつながりました。

講演では、打ち上げから帰還までの7年間の飛行運用を振り返り、いろいろな局面で得られた苦心や教訓を紹介し、プロジェクトがモチペーションを維持した過程、成果を次世代へつなげる方法、新たな構想を作り上げるのに必要な取り粗み方などについて述べたいと思います。

略歴:1955年青森県生まれ。工学博士。83年旧文部省宇宙科学研究所(03年、宇宙航空研究開発機構=JAXA=に改組)に入所。

佐々木 常夫さん
東レ経営研究所特別顧問

自閉症の畏男を含む3人の子と、肝臓病とうつ病を患い43回の入院と3度の自殺未遂をした妻を抱え、家族の命と心を守りながら、同期トップで取締役になった体験談。

家族とは何か、仕事とは何か、生きるということは何かを問う一方、究極の状況の中で、仕事への情熱を持ち、効率的仕事を成し遂げ、ワークライフバランスを実現した仕事術も説く。

略歴:1944年秋田市生まれ。6歳で父を亡くし4人兄弟の次男として母の手ひとつで育つ。69年東レ入社。2003年に東レ経営研究所社長、10年から現職。内閣府男女共同参画会議議員や、大阪大学法学部客員教授なども務める。著書「ビッグツリー─私は仕事も家族も決してあきらめない」「部下を定時に帰す仕事術」「そうか、君は課長になったのか」「働く君に贈る25の言葉」(いずれもWAVE出版)。現在、毎日新聞に「経済観測」のコラムを連載中。

第3日

野町 和嘉さん
写真家

20代半ばでサハラ砂漢を訪れ、大地のスケールと人々の強固な生きざまに魅せられたことが契機となって、辺境地域の信仰と人間を撮り続けてきました。厳しい環境や身分制度のしがらみのなか、人々は深い信仰を支えとして、風土と調和しながら独自の文化を受け継いでいました。

このように何世紀にもわたって受け継がれてきた地域文化は、いま激変の波にさらされています。アラブ・イスラム圏では既存の支配体制が次々に崩壊。一方、私たちの社会は、未曽有の自然災害を契機として、従来の価値観を根底から揺さぶられる事態に直面しています。

40年にわたりさまざまな土地で見てきた、祈りの原形ともいえる文化の多様さを、写真と言葉で語ります。

賂歴:1946年高知県生まれ。写真家・杵島隆氏に師事し、71年にフリーに。84年「バハル」「サハラ悠遠」で土門拳賞。[長征夢現」「ナイル」「メッカ巡礼」など。日本写真家協会会員。

宮川 花子さん
漫才師

1955年大阪市出身。大阪府警の交通巡視員を経て、74年にチャンバラトリオに入門。75年に漫才師仲
間だった宮川大助と結婚。一時引退したが大助に誘われて、79年に「宮川大助・花子」を結成した。82年の「ABC漫才落語新人コンクール」最優秀新人賞をはじめ、90年に「上方お笑い大賞」「上方漫才大賞」でそれぞれ大賞に選ばれるなど、多くの賞を受賞している。

88年に体調不良になり、胃がんが見つかった。そうした体験をつづった著書「愛をみつけた 大助・花子のおやオヤ日記」がある。

また、2007年に大助が軽度の脳出血で倒れたが、その後もリハビリを続けながら夫婦で活動を続けている。

テーマ「日本に生きる」

8月5~7日聴講生を募集


8月6日午前の講座が開かれる高野山大師教会

【会期】8月5日(金)~7日(日)
【会場】高野山大学松下講堂黎明館。6日午前中は高野山大師教会大講堂。
【日程・講師(敬称略)】

◇第1日(5日)

正午 = 受け付け開始
15時 = 開講式
15時20分 = 「India、What、How & Why」ヴィカース・スワループ(在大阪・神戸インド総領事)
16時50分 = 「公共性の再構築」内田 樹(神戸女学院大学名誉教授)

◇第2日(6日)

8時 = 「お授戒」松長 有慶(高野山真言宗管長・総本山金剛峯寺座主) = 自由参加
9時 = 「吉野から高野山への道」村上 保壽(高野山真言宗教学部長)
10時半 = 「終わりなき物語」岡田 茉莉子(女優)
13時 = 山内見学・阿字観・写経会(自由参加)
15時20分 = 「『はやぶさ』が挑んだ人類初の住復の宇宙飛行、その7年間の歩み」川口 淳一郎(JAXA教授)
16時50分 = 「個人も会社も成長するワークライフバランス」佐々木 常夫(東レ経営研究所特別顧問)

◇第3日(7日)

9時 = 「私がみてきた世界」野町 和嘉(写真家)
10時半 = 「花子の生き生きライフ」宮川 花子(漫才師)
11時50分 = 写経奉納式、閉講式、修了証書授与(12時半ごろ終了)

【聴講料】1万4000円
【定員】先着800人
【宿泊】希望書には宿坊をあっせん。2泊5食付き1万6000円(申込書参照)
【申し込み方法】所定の申込書を送りますので、宛先と必要枚数を明記した返信用封筒を封書で送ってください。申込書1枚の場合は80円切手、2枚以上は90円切手を貼ってください。
▽申込書は毎日新聞ホームページ(http://www.mainichi.co.jp/event/culture/koyasan/)からダウンロードもできます。

【送付先】〒530-8251毎日新聞大阪本社 事業部 高野山夏季大学 係
【問い合わせ】事業部(06-6346-8377 = 平日10~18時)



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