持明院「はすの会」高野山の納骨と永代供養墓

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会報No.69-令和7年(2025年)春

印刷に便利なPDF版こちらです。(会報No.69号

虚(むな)しく往(い)きて、実(み)ちて帰る

この法(密教)は、仏(ぶつ)の心(しん)、国の鎮(しず)めなり。氛(ふん)を払い、祉(さいわい)を招くの宝。聖に入る墟経(きょけい)(近道)なり。

━『性霊集』━

現代語にすると、わたくし空海が修得した仏法(密教)は、ブッタの教えの本質であり、この教えこそ国を鎮護する。また、あらゆる災いを取り払い、人々の幸せを増進させ凡夫の悟りを可能にするものである。
結果、空海はこの法(密教)を修得するために唐へ渡ったのです。

一ヶ月あまり漂流の末、入唐の地「赤岸鎮(せきがんちん)」での上陸拒否も、唐の役人としては当然のことであった。

再三に亘る上陸の拒否がやっと認められたのは、ひとえに、未だ無名の青年僧(空海)の陳情書の内容に負うものであった。

唐は、胸を打つ高い文章力と秀れた筆蹟を特に尊(たっと)ぶ国、以降遣唐使として遇(ぐう)されたのはいうまでもない。(内容の詳細は『空海の風景』=司馬遼太郎作参照)

遣唐使の一行は、一路、唐の首都長安に向かいます(現西安)。

時は唐の皇帝徳宗(とくそう)の世、空海三十一才でありました。大国の都、長安は、全世界の文明がそこに集まっていました。

他の宗教もまた然(しか)り仏教各宗をはじめ道教やキリスト教の一部である景教までも長安に集中していました。

空海の目指す密教とその文化は、直接インドより善無意(ぜんむい)、一行(いちぎょう)、金剛智(こんごうち)、不空(ふくう)、恵果、各五蔵ら秀でた僧侶によって伝えられていました。これら密教両系(大日経・金剛頂経)を一身に継いでいたのが、青龍寺(しょうりゅうじ)(長安)に住む恵果阿闍梨で群を抜いて偉大な存在でありました。(密教の法灯を継ぐ第七番目の祖師である。)その加持の威力が世に知られ、代・徳・順、三帝の尊崇を受け、世に三朝の国師と称されていました。

長安での空海は、数か月の学習、特に密教の学修に不可欠の梵語(サンスクリット語)の修得の後、恵果和尚(けいかかしょう)を青龍寺東塔院に訪ねました。

恵果和尚は、既に空海が数か月前に長安に入り、仏教及び密教についての造詣が深いことも耳に入っており喜歓(きかん)して曰く、「相(あ)い待つこと久し。今相い見る、大(はなは)だ好し、大(はなは)だ好し。今日まで大法を伝える人もなく、われ余命いくばくもなし、速やかに潅頂壇(かんじょうだん)に入るべし。」と。

「大日経」と「金剛頂経」の教えと伝法阿闍梨(あじゃり)の灌頂(かんじょう)を終え、漢梵(かんぼん)差なく、悉(ことごと)に心に受くること、全く瀉瓶(しゃびょう)(瓶(びん)から瓶(びん)へそのまま水を瀉(うつ)す)のようでありました。

灌頂(かんじょう)時〝投華得仏の儀〟は、すべて大日如来の像の上に落ち、その奇しき因縁から大日如来の別名「遍照金剛」の名が使われることになりました。

それからの空海は、より一層精力的に諸尊の瑜伽(ゆが)観智、真言(しんごん)・印契(いんげい)・観方(かんぽう)等さまざまの修法を修得(しゅうとく)していきました。

密教のすべてを伝え終えた恵果(けいか)は〝早々に帰依され、以(も)って国家に奉じ、天下に流布(るふ)し、蒼生(ひとびと)の幸を増せ〟と言いました。空海入唐後一年、師恵果は満足のうちにお亡くなりになりました。

「虚しく往きて実ちて帰る」 『荘子』

空海にとって、これほど適切なことば)は他にみられないでしょう。全ての成功者は、天の時、地の利、人の和(好運)に恵まれた人たちです。空海にとっての入唐は、そのまま当てはまります。

空海が入唐出来た事、帰朝出来た事、多くの運がいくつも重なって成就した思いがけない幸せと考えています。その後、偶然にも遣唐使の船は長期間途絶えました。

帰朝後の空海は、師の教え、哲学・宗教・文学・教育・医療施薬から土木潅漑建築まで八面六臂の活躍を続けていきました。

南無大師遍照金剛

(敬称略)

ご挨拶


別格本山持明院 住職・竹内崇真

高野山は、真言密教の聖地であります。1200年を超える時間の中で様々な事が起こりました。

しかし、弘法大師様より受け継いだ法の灯火は消えること無く、現在も光り輝き我々を導いて下さっています。

持明院にも様々な歴史があります。今回は、持明院の歴史や有名な方との関わりに少し触れたいと思います。

持明院は西暦1120年ごろに創建されました。開基は、持明房真誉大徳です。この方は、大変優秀な方で京都や高野山で沢山の修行をなさいました。高野山で持明院を建立されたのは、弘法大師様の入定の秘宝を相伝するためであったと伝わります。現在も、持明院流と言う流派が継承されております。

ご本尊様はお地蔵様です。お地蔵様には、全ての衆生を浄土(仏の世界)へ導く功徳があります。また、我々の苦しみを引き受けて下さる慈悲深い仏様です。

持明院の場所は、古くは現在の大師教会の付近にあったと伝わります。江戸時代に、今の場所に移転し小坂坊持明院と名乗ったと記録されています。

この地にもともとあったお寺は十輪院といいました。このお寺は、武田家や京極家、浅井家などの大名家との深いご縁がありました。持明院では、このご縁を引継ぎ、その方々のご供養をしております。

お寺の所蔵品にはその影響があり、武田家は信虎・信玄・勝頼の親子三代の肖像画があり、浅井家は久政・長政・長政夫人の肖像画があります。

その他、古文書や奥の院墓石などによって京極家やその他多くの武将と供養や祈願でご縁があったことが確認されております。

特に有名なのが、浅井長政夫人(お市の方)の肖像画です。戦国時代の女性の肖像画はいくつか残っていますが、その中でも重要文化財に指定され、多くの情報を得ることの出来る貴重な文化財として教科書や様々なメディアに活用されています。

この肖像画は、先に申しました、久政・長政・長政夫人と三幅で一揃いとして納められております。これは、お市の方様のご息女である、茶々・初・江の三姉妹によって祖父・父・母の供養のために寄贈されたと考えられております。お市の方様は、手に経巻をお持ちに成っておられます。これも、後の世で成仏を願うご息女方の願いが読み取られます。

持明院では、このような思いを持った多くの方と共に900年以上祈り続けております。

皆様のご先祖様も大切に長くお祀りすることが我々使命であり、お大師様の法の灯火を引継ぐ者の役目だと思っております。皆様も、持明院や仏舎利塔でご先祖様を思い共に浄土へ向かわれることをお祈り下さい。
高野山でお待ちしております。
合掌
南無大師遍照金剛


浅井長政夫人像
高野山持明院所蔵

仏舎利宝塔地上墓の流れ取り組み

ここ20年ほどで、「終活」という言葉をよく耳にするようになりました。年齢を重ねると、終活の一部として「お墓」について考えることが増えてきます。その結果、「墓じまい」や「永代供養」といった言葉が身近に感じられるようになりました。

「はすの会」では、お亡くなりになりました方々のご納骨につきまして、永代供養のお申し込み時に会員様より
『お大師様がご入定されている懐に埋骨』または『仏舎利宝塔内供養塔にご納骨』
をご選択いただいております。

お陰様で年々お申込みが増えており、令和4年には室内の安置区画を増設いたしました。現在は既に新区画に永代に安置させていただいております。

 地上墓に関しましては

  • 平成28年

「永遠(とわ)の祈り」(全64区画のうち32区画)建立

  • 平成28年~令和6年

「冥福五輪塔」(144基)建立
「奉賛五輪塔」の誘致・建立

を行っており、その中でも冥福五輪塔につきましては、現在も随時誘致場所を増設しております。お陰様で残りの区画が僅かになってきました。

今年からも限られた敷地(仏舎利宝塔地上)内にて少しでも多くの希望者を誘致できるよう、冥福五輪塔の安置区画を整備していく所存です。

今後とも会員の皆様に寄り添い、安心してご参拝頂けるよう精進して参りたいと思います。

こころの玉手箱

『私の人生の行方』
大阪府 岩﨑 禮子 様

久しぶりに高野山に足を踏み入れると、何となく聖地ならではの静けさと落ち着いた雰囲気で心が和みます。

夫の納骨を令和五年十一月に取り計らっていただき、今回は一周忌の法要で参列いたしました。墓地の横を流れる川には、いつものようにアマゴの幼魚が元気よく泳いでいて、それを眺めてまたのどかな気持ちになりました。

私の人生の行方もだんだんと終末に近づいてまいりましたが、振り返れば平成六年に永代供養をはすの会にお願いし、過去の仏さまも法要していただきました。

我が家の家族は三人でしたが、夫と一人息子を見送り、今は私一人になりました。最近、股関節と膝の手術を受け現在リハビリ中ですが、しっかりと歩けるように励んでおります。

終活に入ってからは、ひとつひとつ片付けていく中で何となく物悲しくなってまいりました。そんな時はヴァーチャル供養を拝して心を休めております。ヴァーチャル供養は高野の地が身近に感じられて有難いことと思っております。

波乱万丈の連続でありましたが、さまざまな思い出もいっぱい胸に込め、残りの人生を出来る限り心穏やかに過ごせればと願っております。

また来年は夫の三回忌と息子の十七回忌にあたります。無事に法要を勤められることをひたすら念じております。

持明院様、はすの会の皆様にもお世話になりますが、もう少し私を見守りくださいませ。

 岩﨑様には今回で三回目の投稿依頼になりました。初回は平成九年九月発行第四号です。
長男、ご夫婦皆様お元気でありました。

文章の結びは「まだ五十四歳これから、これから。」とつづられておりました。

二回目は平成二十二年八月発行第四〇号、ご長男様を失ったときの悲しみを
こらえながらも、ご夫婦で高野山でのご縁に感謝頂きました有難い内容でした。

今号では、お一人になりましたがさまざまな思い出を胸に、近況を投稿頂きました。

結びに「つたない文でしたが、ご拝読下さいまして有難うございました。」と
謙虚さと感謝の気持ちが溢れておりました。

これからも益々お元気でお過ごし頂くことを願っております。
(スタッフ 前田)

はすの会事務局より

増田 裕介

はすの会事務局に勤務し、今年の6月で10年になります。これまで沢山の会員様にお世話になった事を感謝致します。

私は高野山の麓 九度山町で生まれ、隣町の高野口町で育ちました。

古く平安時代後期から高野山への参詣口だったことから、その名がついた高野口。2017年放送『ブラタモリ』で高野山が特集され冒頭でタモリさんが九度山町と高野口町を繋ぐ九度山橋から放送されていた事を誇らしい気持ちで視聴しておりました。

現在も高野口町にて暮らしております。高野山の麓なので、永代供養のご縁を頂いている会員様も多数お住まいで、近くということもあって度々お伺いし、ご依頼やご要望にお応えさせて頂いております。

昨年秋の合同法要時、ご見学も兼ねて参列頂きました高野口町にお住いの方(現会員様)と後日改めてお話しする機会がありました。かつて私の父方祖母が高野口駅前で営んでいたそろばん塾に、小学生当時会員様が通っていたことがわかりました。私が生まれるだいぶ前の事ですが、半世紀経っての強いご縁を感じました。

これからも生まれ育った参詣道入口の町、高野口町で暮らし続けることが出来ればと思っております。

高野山永代供養のお仕事をさせて頂ける事に感謝しながら、また高野山のお膝元にお住いの会員様のみならず、全ての会員様のご要望に誠心誠意お応えさせて頂く所存ですので、これからもご指導宜しくお願い申し上げます。

最後に私事で恐縮ですが、昨年(令和6年8月8日)に入籍致しましたことをご報告させて頂きます。まだまだ未熟ですが、皆様とのご縁を大切に日々努めて参りますので引き続き宜しくお願い申し上げます。


(昨年結婚しました)

はすの会ヴァーチャル永代供養 アンケート御礼とご案内

会員の皆様には、お忙しいところ前号に同封した『ヴァーチャル永代供養に関するアンケート』のご返信をいただき誠にありがとうございました。今後改良していく方向などが見えてきまして、大変参考になりました。

令和5年8月1日~令和6年9月24日までに入会された方につきまして、新たにヴァーチャル供養の閲覧が可能になりました。

今回会員番号と暗証番号を記載した用紙を同封しましたので、是非ご利用ください。

(※奉賛五輪塔・冥福五輪塔をお申し込みで未建立の会員様を除きます)

また、ご自身の供養碑を見るための会員番号や暗証番号がご不明な場合は、どうぞ遠慮なくはすの会事務局までご連絡ください。

~ヴァーチャル供養をもっと身近に!~
下記にご案内の通り、3月20日(木・祝)に春季合同法要が行われます。
合同法要の受付時に、皆様のスマホへの「はすの会ヴァーチャル供養」
アプリ登録のお手伝いをいたします。
当日は開発会社のスタッフもおりますので、操作方法等丁寧にご説明いたします。
是非、普段お使いのスマートフォンやタブレットをご持参ください。

春季合同法要開催のご案内

 会員の皆様、今年も春季合同法要を迎える季節がやってまいりました。

近年の気候変動により猛暑・豪雪といった異常気象が続いておりますが、
ご先祖様やご家族を偲ぶ時間を持つことは、私達にとって心の安らぎとなります。

高野山へ是非お参りください。

◆日時
令和7年3月20日(木・祝)
12時30分~13時10分頃
(法要時間約40分・集合12時15分)

◆場所
持明院・本堂
(和歌山県伊都郡高野町高野山455)

◆法要料(参加費)
無料
(ご希望によりお布施は受け付けております)

◆ご参加
自由・予約不要

◆佛舎利宝塔の参拝時間
10時~15時30分まで

  • 法要の前後に佛舎利宝塔の参拝もできます。
  • ご親族だけでなく、ご友人なども参加いただけます。
  • 当日は12時30分からはじまりますので、15分前までに受付をお済ませください。
  • 持明院の駐車台数は限りがございますので、できるだけ電車・バスでお越しください。
    南海電鉄の特急(こうや号・全席指定)は、一ヶ月前から予約できます。
  • 高野山は平地と比べ5~6℃気温が低く冷えますので、暖かい服装でお越しください。
  • 持明院でご昼食を希望される方は、あらかじめご予約が必要です。
    3/18(火)までにお申し込みください。
    精進料理:お一人様 2,200円(税込)
    お子様向けも同額でご用意できます。
  • 南海電車高野線は令和6(2024)年12月20日にダイヤ改正をしております。
    南海電鉄ホームページからもご確認くださいませ。
南海電鉄 高野線 時刻表(土日ダイヤ)
難 波 発 高野山駅着
8:13 10:07
8:36 10:29
こうや5号 9:00 10:40
9:02 10:50
9:23 11:12
天空1号 9:36 11:29
こうや7号 10:00 11:42
10:02 12:20
高野山駅発 難 波 着
13:50 15:56
14:24 16:22
14:47 17:02
こうや12号 15:10 16:50
15:26 17:22
15:52 18:02
こうや14号 16:14 17:51
16:31 18:23



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