小学生の姉妹アマチュア無線通信女
- 2010年7月4日(日)
- カテゴリー|徒然コラム
スタッフの浜田です。
以前私は「趣味がアマチュア無線である」ということを書きましたが、先日ある会員の方から「自分も昔はアマチュア無線をしていたのでホームページを懐かしく拝見しました。昔アンテナを立てるときに屋根に穴をあけてえらく怒られたことも思い出しました。」とメールをいただきました。
ありがとうございます。
だから、というわけではないですが、せっかくなので少し面白いネタを披露しようと思います。
実は大阪には、現在、有名な小学生の姉妹アマチュア無線家がいます。
大阪市内に住んでおり、お姉ちゃんは 5年生で11歳、妹さんは3年生で8歳ということです。
結構ひんぱんに活動しており、私も交信したことがありますし、他の人と交信中の彼女達の声も聞いております。
もちろん後ろにはお父さんがついていて、交信をすると3人が一まとめに順番になることが多いのですが、最近は一人ずつでも交信しているようです。
彼女たちの交信マナーは非常によく、まるで教科書のようです。って、小学生の女の子たちが見ず知らずの年配のおじさんたちと話をするのですから、「教科書どおりにしか話せない」という感じもしますけど...。
7月4日(日)は高野山にて彼女達と交信をしました。
吹田の実家では交信をしたことがありましたが、高野山ではこの日が初めてでした。
いつものように仕事が終わった後、無線機を準備して誰か電波を出していないか探していたところ、彼女達の声が聞こえてきました。
何でもその日は「七夕コンテスト」に参加中、とのことでした。
アマチュア無線ではよくコンテストが開かれます。基本的には、限られた期間にどれだけの相手と交信をしたか、ということが競われるのですが、条件がつく場合もあり、交信先の市町村の数を競うとか、女性や小学生だと点数が高くなるとか、弱い電波の無線機だけだとか、いろいろな場合があります。
今回の七夕コンテストがどのような条件だったかは知らなかったのですが、「和歌山県伊都郡(高野町)から通信する人は、まぁ他にはいないだろう。まして私の無線機はQRP(弱い電波しか出ない)機なので、点数が上がることはあっても邪魔にはならないだろう」と思い、彼女達と通話ができる順番を待っておりました。
無線は、会話をするときは二人だけですが、その会話は誰でも聞けるので、どのくらいの人数が周りで聞いているかわかりません。その人との会話が終わった後、「他に聞いていらっしゃる方はいませんか?」と投げかけると、一斉に「私も」、「私も」と声があがることがあります。まるでアイドルの握手会のような状態です。
厳密には「私も」といった言い方はせず、ちゃんと自分のコールサイン(識別符号;私の場合だとJG1HQM)を言うのですが、一斉にみんなが話をすると混信しまくって誰が何を言っているのかわからなくなります。当然そうなると一番電波の強かった人のがよく聞こえるので、「HQMさん」などと名指しをされるとその人が会話をする権利を得て、他の人は待たなくてはなりません。
もともと電波の弱い私は非常に不利で、アイドルの彼女達ですから、ひっきりなく交信を求める人たちがおり、順番待ちもどんどん最後になっていきます。
もちろん、あきらめて他のチャンネルに切り替える、ということもできるのですが、せっかくなので待つことにしました。
結局、私が始めてから1時間半ほど経ったときに、ようやく「他の方はいませんか?」と言っても誰も返事がなくなったので、そのとき初めて私も送信ボタンを押しました。
コンテストのときは、できるだけ多くの相手と会話をしなければならないので、余計なことはほとんどしゃべらず、自分のコールサインと現在地(電波を出している場所)、それに相手の電波の出力状況くらいしか言いません。ですから会話も3分ほどで終わってしまいます。
今回、相手の電波は59(最高感度)でこちらは受信できましたが、こちらのは41(電波は非常に弱くところどころ何を言ってるのか聞き取りづらい)という報告でした。
相手は50ワットの無線機(IC-7000)を使用とのことで、こちらは2.5ワット(FT-817)ですから、受けてもらえただけでもありがたい状況でした。
ちなみに、何ワットと言われてもピンとこない方も多いと思いますが、普通の電球が60ワットでトイレに使うのが40ワット、夜中に部屋が真っ暗にならないためにつける豆電球が5ワットですから、そのような明るさの電波を出している、と考えてもらえればわかりやすいかと思います。しかし、たかが2.5ワットでも条件さえそろえば高野山から広島や四国とも通信できますので、そのあたりもアマチュア無線の魅力となっております。
これからの活躍が楽しみな、大阪の小学生姉妹アマチュア無線通信女です。(最後の部分は「しんにょ」と読まないように(笑))
私のQSLカード(交信記録証)自宅バージョン(撮影場所は「吹田アマチュア無線会館」)
アイ・ボールしました
「アイ・ボール」とはアマチュア無線用語で、「目の玉(eye ball)」のことから『直接会って話をする』ということです。
7月17日(土)18日(日)に関西アマチュア無線フェスティバル(関ハム)というのが大阪の池田市民文化会館で開かれたので行ってきました。
彼女達とは高野山での交信のときに「行くかもしれない」と言ってたので、会場で探してみたのですが、何と言っても中高年のおじさんばかりの集まりですから、小学生の女の子がいれば自然と目立ちます。また、彼女達も気を利かせて手作りの名札を付けていてくれたので、すぐわかりました。
当然相手はこちらのことは知りませんから、「先日は高野山からの送信でお世話になりました」と言っても今ひとつ覚えてくれていなかったのですが、こちらのコールサインを告げると思い出してくれました。
実際に会った感じは、無線での交信とはうってかわって、ヤンチャな元気な女の子達でした。でも、「あそこは電波の飛びが悪い」などと言っている姿は、もう一人前の無線家でした。
アマチュア無線の世界は、外国との通信や無線機を自作する、など、さらにいくらでも深く掘り下げていくことができます。
このような彼女達にますます期待していきたいと思います。