高野山で一番大きな墓石、来年度のNHK大河ドラマにて(2010秋-No.40)
- 2010年9月19日(日)
- カテゴリー|はすの会 会報
同行二人、お大師さまと歩む清らかな人生
高野山で一番大きな墓石、来年度のNHK大河ドラマにて
NHKの大河ドラマといえば国民的人気番組のひとつですが、来年度(2011)は「江(ごう)~姫たちの戦国~」ということで、信長の妹・お市の方の三女にして、徳川二代将軍・秀忠の正室、三代将軍・家光の生母「お江(ごう)」のお話です。
「お江」と言えばここ高野山でも有名な方で、高野山で一番大きな石碑「一番碑(いちばんひ・一番石)」はこの「お江(崇源院・すうげんいん)」のお墓であります。
ちょうど佛舎利宝塔と奥の院の中間くらいにありますので、高野山に来られたときは一度見学に寄られてはいかがでしょうか。
この「お江」の人生は、織田、豊臣、徳川の三家に翻弄され続けてきたため、彼女の視点から戦国時代を見ることで、今の日本の基礎となったこの大転換期を新たな切り口で見ることができるかもしれません。
崇源院像(養源院蔵)
県指定史跡 指定 昭和34 年1 月8 日
すうげんふじんごりんせきとう
崇源夫人五輪石塔
奥の院墓石碑の中で最も大きいことから「一番石」の名でひろく知られている。(総高6 .6m)駿河大納言忠長が慈母崇源院の追善供養のために寛永4年(1627) に建立した供養等である。崇源院は徳川二代将軍秀忠の妻であり、浅井長政とお市の方の娘、淀君の妹にあたる。寛永3年(1626)、54 歳でこの世を去った。
高野山にはその他「千姫(お江の長女)」(下記写真)や「春日局(かすがのつぼね・徳川家光の乳母)」などのお墓もあり、歴史上の宝庫となっております。
謹言慎行
別格本山持明院住職・竹内崇雄 |
暑さもようやく峠を越したようで朝夕はすっかり凌ぎやすくなりました。
『はすの会』会員の皆様には、ますますご清栄の事とお喜び申し上げます。年々歳々、会員の増加は、自坊にとって心強く思う反面、またその責任の重さを痛感しております。
ところで、大阪梅田の『はすの会』の事務所には標題「謹言慎行」の偏額が掲げられています。亡父崇峯が贈ったものですが、大僧正が常に自坊においても口にしていたことばで、『はすの会』の仕事に携わる者への心得を訓えたものだと思います。「思慮深く丁寧で慎み深い言行に徹しなさい」と。
その言葉に接する時、当職はいつも亡父を偲びながら自戒しております。
ご存知のように本年は、高齢者の所在不明が大きな社会問題となっています。地域ぐるみの人々の絆は一段と稀薄化へ向かっています。
しかしそういった世の中でも『はすの会』の皆様は、先祖や故人を祀り、ご供養の心をお持ちであるため、そ
の功徳として現世での家内安全を約束され幸福の日々を過ごされていることと存じます。
まもなく秋の合同法要です。
お忙しい毎日でしょうが万障お繰り合わせのうえ、ぜひ自坊までお運びください。
合掌
はすの会 会員様より
『はすの会は私たちにとって心安らかな生活をおくるための精神的な支えですが、私にとっても小さな幸せを見つけることができる生活の部分でもあります。』
今回掲載させて頂きました、岩崎様より、以前の会報で頂いたお言葉です。
今号では、最愛の息子様への思いを綴って頂きました。
続“私の人生の行方”
平成9年9月の会報4号に“私の人生の行方”という題で載せていただきました私の手記の続編でございます。また、拙い文で皆様のお目を汚す事をお許し下さいませ。
それは、突然の事でした。昨年、平成21年11月13日に、長男を急病で亡くしました。
重度の知的障害を持って生まれても41年間懸命に頑張って生きてきましたが、とうとう私の子から飛び立って逝ってしまいました。
どんなに悲しんでみても、又、してあげたい事も一杯あったのに、41年で終わってしまった事が、親として「ゴメンネ、ゴメンネ」という想いでいっぱいです。
平成6年に永代供養をお願いしておりましたので、桜の頃の4月13日の月命日に主人と一緒に納骨させていただきました。
お骨の一片で手元供養も造ってもらいましたが、仏前にある、生前のにこやかな顔の遺影を眺め、話しかけ、手を合わせている毎日です。
ある歌手の方が歌っておられる唄で、「喜びも悲しみもみな人生、愛して別れて、またどこかで逢えればいい。小さな幸せでも大事にしましょう・・・」という歌詞なのですが、今の私の心に響き、時々口ずさんでは涙しております。
今は高野山の霊地に懐かれて眠っている息子に、時々会いに出かけ、これからも親の勤めを果たしていきたいと存じます。
今まで支えて下さった方々にも厚く感謝申し上げ、また持明院様にもこれからもどうぞよろしくお願い申し上げます。どうもありがとうございました。
合掌
(原文のまま)
岩崎様はご自身が下肢に障害をお持ちなだけでなく、ご長男も重度の知的障害をお持ちでした。
また、唯一の頼みのご主人様も結婚後大きな事故に遭われ、再度に亘る骨移植をされています。
子育ての日々は辛く何度も気力を失いかけたそうですが、信仰と温かい人々との交わりを支えに、縁あって「はすの会」に入会され、高野山奥の院を終の棲家に選ばれました。
人が守るべき「四つの恩」
はすの会 代表・上善嘗二
弘法大師空海は、父母の恩、社会の恩、国家の恩、三宝の恩、を人が寄るべき四恩であると教えています。
「恩」は、原因に心と書き、現在自分が生きているのは、父母が生み、育ててくれたからであり、その父母と自分もこの社会や国家の秩序、安全によって保たれています。
また「三宝」とは、仏教でいう「佛法僧(ぶっぽうそう)」の三つの宝のことであります。
私たち古い世代は、小学校から恩の大切さを教わりました。従って「恩返し」という感情も自然に身についていったものです。
恩というものは、人間の「まごころ」から生まれる美しくつつましいものの感じ方であり行動です。
しかし戦後の日本では、学校でも社会でも「恩を知る」ことを教えません。殆んど耳にすることもなくなりました。
だから今、せめて空海が教える四恩への報恩は難しくても、昔からいわれている「俺が俺がの“が”を捨てて、お陰お陰の“げ”で暮らせ」を自分で実践しつつ若い世代にも薦めていきたいと思っています。
新しいホームページで「心の安らぎ」を考えたい
「はすの会」のホームページが新しくなりました。
インターネットが生まれて15 年。ホームページも昔は「商品の紹介」が中心だったのが、今ではブログと呼ばれる「情報発信」の道具に変わってきました。
では、私たち「はすの会」が発信すべき情報とは何でしょうか。
高野山のできごと?持明院や佛舎利宝塔のこと?私たちなりにいろいろ考えましたが、やはり私たちが一番伝えたいこと、それは「心の安らぎ」だと思います。
ですが、そもそも「心の安らぎ」とは何でしょうか?
もちろん人によって違うかもしれませんが、実は、私たちもその答えはまだ見つけてはいません。むしろ私たちはそれを見つけるため、毎日悪戦苦闘しているようにも思えます。
ですから私たちは、私たちが見たこと、知ったこと、そして考えたことをホームページに情報として発信していくことにしました。
私たちが得たことなんてたかだか知れているかもしれません。ですが、こうして悩み、苦しみ、考え抜いている姿を見てもらうことで、人からアドバイスが得られるかもしれないし、他の人に影響を与えられるかもしれません。
これからも「はすの会」は「心の安らぎ」を探し続けていこうと思います。
ホームページには過去の会報(上記の岩崎様のご投稿の原文(会報第4号)など)も掲載中です。また誌面の都合で割愛した編集後記(巻末)などもありますのでぜひ一度ご覧下さい。
秋季合同法要のご案内
高野山にも秋が訪れようとしております。今年も皆様ぜひお参りにお越し下さい!
9月19日、お山は最も爽やかな季節を迎えます。
ご先祖様とのご対面、静かな山の秋をご堪能ください。
日時 … 平成22年9月19日(日)12時30分より (雨天の場合も決行いたします。)
場所 … 持明院本堂(持明院入口で受付、記帳をお済ませ下さい。) 仏舎利宝塔のご参拝 … 午前・10時~11時30
午後・法要終了後~15時10分
おねがい
- 当日は混雑しますので、12時15分頃までにお越し下さい。
- 佛舎利宝塔には上記の時間帯に係員がお待ち申し上げております。
- ご昼食ご希望の方は『はすの会』にお早めのご予約をお願い申し上げます。
電話(06)6348-0338、ファックス(06)6348-0170、予約ページ
お一人様2,100円(税込)です。お飲物はご一緒にご注文して下さい。 - 南海電車特急券(こうや号)は1ヶ月前から販売しています。
- その他ご質問等は『はすの会事務局』までご連絡下さい。問い合わせページ
南海電車時刻表(土曜・日曜日用)
行 き |
難波駅発 | 高野山駅着 | ||
7:24 | 9:18 | |||
8:00 | (こうや1号) |
9:33 |
||
8:12 | 9:57 | |||
9:00 | (こうや3号) | 10:34 | ||
9:02 | 10:45 | |||
9:24 | 11:06 | |||
10:00 | (こうや5号) | 11:32 | ||
10:02 | 11:53 | |||
10:24 | 12:07 | |||
11:12 | (こうや7号) | 12:49 |
帰
り |
高野山駅発 | 難波駅着 | ||
13:18 | (こうや8号) | 14:50 | ||
13:39 | 15:24 | |||
14:03 | 16:02 | |||
14:40 | 16:24 | |||
15:03 | 17:02 | |||
15:19 | (こうや10号) | 16:50 | ||
15:45 | 17:36 | |||
16:20 | (こうや12号) | 17:50 | ||
16:31 | 28:24 | |||
16:56 | (こうや14号) | 18:26 |
※この時刻表は3月1日から11月30日までのの土曜、 日曜日用です。
※直通以外に橋本で乗リ換えが必要な便も含まれておりますが、発着の時刻は上記の通りです。
編集後記
上善 嘗二 |
「弘法大師」は“空海”とも言いますが、これは“大空のように広い大きな心と、海のように深いいつくしみの心を持つ人”という意味から、みずから名づけたと言われています。 彼を知れば知るほど、学べば学ぶほど、私たちにとって心にひびく言葉や生活に役立つ教えが多いのに驚かされます。 これからも少しでも彼の心を心して実践して参る所存です。 |
浜田 雅道 |
正直に白状します。一番碑がどこにあるかは知っていましたが、どなたのお墓だったかは知りませんでした。「徳川の」というだけで何かややこしそうだったので勉強していなかったのですが、今回特集するにあたり改めて勉強いたしました。 今回感じたのは、人は“誰かの子として生まれ”、“誰かの伴侶となり”、“誰かの親になる”という、当たり前のことを再認識いたしました。 歴史に残るような有名人にはなれなくても、せめてそれぞれの役割において恥ずかしくない生き方はしていきたいと思います。 |
前田 昭博 |
今回掲載させて頂きました岩崎様は、高野山で数度、参拝と法要のご案内をさせて頂いております。 いつお会いしても朗らかで、決して悲しんでいる様子をお見せする事はございませんが、常に息子様への想いを抱いておられる事を知りました。 肉体を支えるのは精神で、精神を強く保つのは、ご先祖や故人、まわりの人達への感謝の心である事を、岩崎様に教えて頂きました。 これからも岩崎様をはじめ皆様に感謝し、はすの会の勤めに励んで参りたいと思います。 |
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